この春ひとつ 別れがあった 
俺には妻と 子供がいます 
その人なんて 呼べばいいのか 
会社の妻と 仮によびます 
会社の妻と 付き合いはじめ 
8年間も 過ぎ去っていた 
会社の妻は とてもおしゃべり 
生活感は まるで無かった 
支離滅裂な 言葉並べて 
自分の夢に 酔いしれていた 
 
会社の妻と よく飯食った 
深酒したら 愚痴もこぼした 
ケンカをすると すぐに膨れて 
その都度俺は たじたじしてた 
ある時カーツと したことがある 
歯ギシリしたら ほほをつねった 
 
3月3日 午後11時 
会社の妻は 疲れたという 
はっきりしない 俺をきらった 
自分の立場 嫌気がさした 
からだの力 ふぅーと抜ける 
来るべき時が やって来たんだ 
沈黙だけが 長く続いた 
3月なのに 寒いよるだった 
 
4月のはじめ 晴れ渡った日 
会社の妻は 旅立ってゆく 
会社の妻を 駅まで送る 
改札口で さよならをいう 
人波だけが 押し寄せてきた 
会社の妻の 背中が消えた 
 
駅へと続く 坂川の土手 
菜の花すごく 咲き乱れてる 
いつもはただの どぶ川なのに 
菜の花すごく 咲き乱れてる 
俺の目からは 涙があふれ 
涙ですべて 歪んで見える 
 
さよなら会社の妻
さよなら会社の妻
さよなら会社の妻
さよなら会社の妻
 
この春ひとつ 別れがあった