ぼくは 
ぼくのおとうさんが 
ぼくの 
すべてで 
あると 
おもっていた 
 
ある日 
ぼくは 
あることに 
きがついた 
 
それは 
ぼくが 
おとうさんを 
すべてだと 
おもっても 
おとうさんに 
とっては 
ぼくは 
おとうさんの 
人生の 
ひとつでしか 
ないと 
いうことを
 
そして 
そのことに 
きがついてから 
ぼくは 
すこし 
きがらくになった 
 
ぼくは 
それから 
ぼくの 
人生を 
さがそうと 
おもった 
 
ぼくが 
そのことに 
きがついた 
とき 
おとうさんは 
すこし 
さみし 
そうだった 
 
ぼくと 
おとうさんは 
カレーライスを 
たべた 
 
だまって 
ふたりで 
カレーライスを 
たべた 
 
ただ 
なぜ 
カレーライスを 
たべたのかは 
おぼえて 
いない