なにかが 
なにかが 
なにかが 
たりないことは 
わかっている 
 
その一本のねじが 
みつからない 
 
こんなに 
素敵な 
機械なのに 
どこかが 
がたついて 
しまう 
 
それは 
一本のねじが 
たりないせいだ 
 
どこかに 
どこかに 
どこかに 
ころがっていることは 
わかっている 
 
その一本のねじを 
さがしている 
 
こんなに 
立派な 
機械なのに 
ひとつ 
たりなくても 
うごかない 
 
それは 
一本のねじが 
たりないせい 
 
いくつもの 
歯車が 
かみあって 
 
いくつもの 
ねじで 
しめられて 
 
ひとつの 
かたち 
 
ねじ 
ねじ 
ねじまがって 
 
ねじ 
ねじ 
ねじれて 
 
ねじ 
ねじ 
一本のねじ 
 
なにかが 
なにかが 
なにかが 
たりないのは 
わかっている 
 
だから 
さがしている