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                                                  写真・くいまる
 
 
人間に 
たべられてばかりいた 
たこが 
雲になって   
逆襲してきた 
 
たこが 
雲になっても 
やましいことはない 
 
たこは  
たこでなければ 
ならない 
 
それは 
まちがった 
かんがえかただ 
 
「ぞうさん ぞうさん 
おはなが ながいのね 
そうよ かあさんも 
ながいのよ」
 
だれかが 
うたっていた  
 
だからといって  
たこさんが 
雲さんになっても 
いいじゃないか   
 
きみも 
そうおもうだろう 
 
あまりにも 
たこを 
あまくみすぎたんだ 
 
雲になった 
たこは 
じわりじわりと 
こっちに 
せまってくる 
 
家も車も店も 
おしつぶされるだろう 
 
その時 
うしろの車が  
クラクションを 
ならした 
 
ぼくの車に 
はやく前へすすめと 
どなった 
 
ぼくは 
この偉大な光景に  
ハンドルを握ったまま    
口をあけて   
みとれていた 
 
たこの逆襲の完結を
最後までみたい  
たしかめたい  
 
だから 
車は 
いやなんだ 
 
いやでも 
前に 
すすまなければ 
ならない 
 
ぼくも 
雲になって 
逆襲したい 
 
小心者のぼくは  
ゆっくりと 
アクセルを 
ふむ