石段をのぼるとき
路地を通りぬけるとき
かげは
とてもしなやかだ
ぼくが頭をかかえても
ぼくが腕組みしても
かげは
おどけている
ぼくのなやみも
ぼくのつらさも
かげは
おかまいなしだ
ぼくのかげなのに
ぼくのかげなのに
だけど
愛しくなって
つかまえようと
手をのばすと
にげてゆく
こまったもんだ
こまったもんだ
ぼくのかげ
明日晴れたら
またおいで
ぼくのところに
またおいで
(写真・くいまる)