イメージ 1
 
 
このひんやりとした石畳に
ねころんでいると浮世のことを
忘れてしまう
 
といいたいが
 
ぼくは猫だから浮世のなかで
生きているわけではないので
そんなセリフは
にあわないことに
きがつく
 
自分にとっての
快適な居心地のいい場所を
さがしている
だけなんだ
 
それは世渡りのうまい
人間の生き方に
にているが
残念ながら
ぼくは人間ではない
 
ところでぼくはこのあたりの
風景をそれほど
気に入っているわけではない
 
ただ後方にみえる
赤いポストはすきなんだ
 
見ているだけで
落着いてくる
 
もちろんぼくは
猫だから手紙をかかない
 
道具としてのポストでなく
鑑賞するためのポストと
してなんだけれども
色も形も
とにかくいい
 
ぼくがなにを
すきなのかを
はなしたとしても
世の中が
変わるわけでもないし
それを聞いたきみの
なにかが変わる
わけでもない
 
きみがぼくに
ちかづいてきたから
ぼくはぼくの今の気持ちを
ちょっとはなしてみただけなんだ
 
つまらない
はなしだよ
ごめんなさい
 
 
 
 
 
 
 
(写真・くいまる)