イメージ 1
 
秋のある日
立花さんが
すべてを
すてる 
決心をした 
 
それから 
数年たつと
立花さんは
かたる
 
決心の理由を 
立花さんは
かたらない 
 
立花さんは 
夜明けの
東京の街を
あるいて
本をひろって
古本屋に
売って
細々と
生きていた 
 
すべてを
すてた
立花さんは 
本を
ひろった 
 
食事をとると 
すぐにつぎの
食事を 
心配した
 
本が手に
入らない時も
あった
 
決心をして
家をすてた
立花さん 
 
立花さんには 
同情心が
にあわない 
 
立花さんには
落葉のしたから
あふれて
くる
熱情のような
不思議な
決心があった
 
寒い季節が
くると 
立花さんを
おもいだす 
 
立花さんは
今年の冬を
のりきることが
できるのだろうか
 
 
 
 
 
(写真・くいまる)