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たしかに 
金木犀の 
花の 
香りがして 
おだやかな 
ゆうぐれに 
文句は 
ない 
 
だけど 
なにかが 
なにかが 
たりない 
 
路地裏の 
古びれた 
コーヒーショップの 
すこし 
ひらいた 
ドアの 
隙間から 
マイルス・ディヴィスの 
トランペットの 
曲が 
きこえる 
 
やがて 
音は 
ドアを 
つきやぶって 
路地に  
あふれてくる 
 
もしかしたら 
今の 
自分に 
満足していないか 
 
このままで 
いいんだと 
おもいこんで 
いないか 
 
そうだよ 
いつだって 
なにかが 
たりない 
 
たりない 
ものを 
うめようと 
生きなきゃ 
ならないんだ 
 
なにかが 
たりない 
 
なにかが 
たりない 
 
そう 
いつだって 
なにかが 
たりない 
 
金木犀の  
あまい 
香りが  
しても 
 









(写真・くいまる)