それは
お昼寝をすることだ
いつも夢をみる
今日は
奇妙な夢をみた
納豆屋の相沢さんと
豆腐屋の大善さん
餃子屋の山下さんと
和菓子屋の加藤さん
そして
骨董屋の藤井さんと
僕との6人で
海水浴にいった
夢の中で僕は
シンガーソングライターに
なっていた
「たのむから きいてくれ!」と
泳いでいるみんなにむかって
さけんでいた
僕はてんぷら屋なのに
すこしおくれて
牛乳屋の渋谷さんがきた
みんなに
ごめんごめんと頭をさげた
くたくたに泳いだ帰り道
一番貫禄のある相沢さんが
「ラーメンを食べよう」といいだした
みんなはうなずいた
海水浴のあとのラーメンは
おいしい
たべおわって
ラーメンのはいっていた
どんぶりをみた
どんぶりの縁の模様が
急にうごきはじめた
僕らは
いきなり遊園地ののりものに
のっていた
みんな
げらげらわらっている
豆腐屋の大善さんが
「僕らはいくつになっても
たのしまなけりゃ」
「いきることは
たのしむことだ」とさけんだ
きゅうに
雪がふりだした
シャッターのおりた商店街を
かぜがふきぬけていった
今はもうだれもが
この商店街から
でていってしまった
かなりの時間がたっている
みんなどうしているんだろう
ずいぶんとながいあいだ
みんなとあっていない
ぼくの奇妙な
夢のなかでは
みんなが
たのしそうな顔を
していた
ぼくは
「奇妙な夢」をみた
また
いつか
みんなで
あそべるかな
(写真・くいまる)
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