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銀ばえがいっぴき
ぶ~んと とんできて
二回ほど 空中で
円を描いて
どこかにとまった

親父は 腹這いで
古い雑誌を 読んでいる

ときおり 頭を
ボリボリかいて
しけもくに
火をつけて
ふたくち みくち
すっている

ここちよい風が
すーっとふきこんできて
遠くから
水のながれる
音がとどく

つかれたら やすめばいい
それが
親父のくちぐせで
貧乏神を
こよなく 愛した

親父が愛した貧乏神
ぼくも いつしか
すきに なっている







(写真・くいまる)