イメージ 1


河童はいるかな
会ってみたいな
すこしこわいな

本で読んだ
河童を見たい
ぼくはそうおもった

それが何才だったか
おぼえていない

河童なら
夏の間にという
気持ちが
どこかにあった

八月中に
河童を
さがすべきだと
おもっていた

河童のでてきそうな
川を自分で見つけた

時間や曜日や
河童の待つ場所を
自分で決めた

だれにも
相談しないで
自分で決めた

そして
ぼくはそこで
河童をまっている

昼間なのにだれもいない

ぼくはひとりだ

ときどき
ばしゃっと水音がする

なんだろう
魚かな

じっとしていると
だんだんこわくなってくる

河童がでてきたら
なにをはなせばいいんだ
あいさつをするかな
「こんにちは」なんて

河童は
現われないほうが
いいのかもしれない

そんなことを
かんがえながら
川面をみつめている

あることが頭の中に
うかんできた

とても力強いなにかが
こころにひろがった

それはぼくが
こうしてひとりで
河童をさがしに
きたことだ

親をたよるとか
ともだちと一緒だとか
そうではではない
たったひとりで
河童をさがしに
ここにきたんだ

ひとにたよらない
自分がいたんだ

そうおもったら
もう河童は
どうでもよくなった

ひとりでなにかができる

そんな自分に気がついたら
もう河童は
どうでもよくなった







(写真・くいまる)