北国の畑でぼくらは生まれた
威勢のいいあんちゃんが
トラックにぼくらを詰め込んだ
ぼくらは町にやってきた
威勢のいいあんちゃんが
ぼくらを売りさばく
おたがいがおたがいを
傷つけあわないように
フルーツキャップを
かぶせられている
いつもおもうことだが
小さな世界に
おしこめられていると
いつだっておたがいに
傷つけあうことしかできなくなる
傷つけあうことさえなければ
フルーツキャップなんて
必要ないのに
なんだかそれをおもうと
いやな気持ちになる
威勢のいいあんちゃんの声が
こだまする
フルーツキャップをかぶって
ぼくらはならんでる
(写真・くいまる)
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