妄想の海を 男はおよぐ かもめは 空をとぶ どんよりと 雲がひろがる 対岸の 岸では たき火の煙 妄想の海を 男はおよぐ 海面を トビウオが はねる イルカも はねる クジラは 潮をふく ...
2011年10月
一本のねじ
なにかが なにかが なにかが たりないことは わかっている その一本のねじが みつからない こんなに 素敵な 機械なのに どこかが がたついて しまう それは 一本のねじが たりないせいだ どこかに どこ ...
あります
ありますと いう 看板が あります 闇夜のなかで ありますの 文字が ひかって います あります なにが あるのだろう 希望かな 希望だったら なんだか 胡散くさいな 希望なんて 闇夜に ひかっ ...
もみじのあかちゃん
まだ 肌寒い 春のはじまりの ころ 近所の おじいさんが うまれた ばかりの ちいさな葉っぱを 指さしながら 目を 細めて これは もみじの あかちゃんなんだよ と おしえてくれた もみじには 秋の イメージ ...
回転する感情
いくらと ほたての あいだの かなしさ まぐろと はまちの あいだの さびしさ かっぱまきと てっかまきの あいだの せつなさ 回転する感情 ぐるぐる まわっている いかと たこの あいだの うれしさ ...