山のいただきの
雪が
春の光に
てらされて
とけてゆく
まるで冬の日が
なかったかの
ように
とけてゆく
雪どけ水は
ちいさなながれ
やがて
おおきなながれに
かわる
ながれは
川になって
濁流が
茶褐色の
濁流が
はげしく
はげしく
はげしく
はげしく
吹雪の冬が
なかったかの
ように
ふたりの
はげしい愛が
幻だったように
春の光に
はげしく
はげしく
はげしく
はげしく
雪が
とけてゆく
濁流が
濁流が
茶褐色の
濁流が