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自分をしまう場所
みんなもっている
きちんとおりたたんだり
無造作におしこんだり
いろいろとやりかたは
ちがうけれど
一日一度は
そこに自分をしまって
体と心の回復をこころみる

ただの箱に
みえるようなところでも
だれかが自分を
しまう場所なんだ

空調設備をととのえて
音を遮断して
ほどよい照明のなかで
それぞれが
桑の葉のような
食事をとって
明日のために
繭になろうとしている

涙ぐましく
涙ぐましく
習慣として

箱には
ひとつひとつ
灯りがともされ
ここに
わたしはいますよと
外部に情報を
伝達している

ぼくは
箱をみている
冬の冷たい
外気を
体いっぱいに
あびながら
そしてとても
不思議な
世界で
生きていることを
実感する








(写真・くいまる)