目のまえにある さきほころんだ 花をみたなら わすれよう わすれよう いいことだけを 記憶のポッケに しまいこんだら わすれよう わすれよう 明日のために わすれよう つめたい水を ぐぐっといっきに のみこんだなら わすれよう わすれよう 海老のかたち ...
2013年05月
石
ぼくはセールスマンを していたんだ セールスマンは たいがいきらわれる ところがある家にいったら とても歓迎された おばあちゃんの一人暮らし さびしかったんだな だれでもいいから はなしたかったんだ おばちゃ ...
官能的な日々
てれかくしなのか 左手をほほにあて あごを すこしつきだして 得意気に どんな錠前でも あけることが できると 鍵屋のおやじはいう 錠前と鍵を おなじだとおもっている ひとはたくさんいると おもうが まったくちがう ドアについているほ ...
夢と現実と
いちばんの しあわせは 夢のような 現実だとおもう 夢そのものではなく 現実そのものでもない 夢のような 現実なのだ ほほを つねってみる 夢じゃないのねと つぶやく 夢みたいな 現実なんだ でも もしかしたら ...
鉄腕アトムはとばなかった
縄文人は きっと 夜明けとともに 一日を始め 日没とともに 一日を終わらせた 汚れのない 空気を胸いっぱに 吸い込んで 透明な水をのみ 豊かな色彩の 植物につつまれていた 夜はたき火を かこみ 家族は寄りそって 鳥の声や 虫の ...